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歯学部の入試動向

2010年度入試動向【歯学部】

【一気に進んだ歯学部離れ】
 前年まで国公立大学で4年連続、私立大学でも3年連続で志願者数が減少していた歯学部だが国公立大学、私立大学ともに09年度入試でも志願者の減少は止まらなかった。国公立大学では前年から15.2%,493人の志願者の減少でありこれも大幅な志願者減ではあるが、私立歯学部は前年から36%,3,090人の、予想をはるかに超える志願者減となった。国公立、私立を問わず受験生の歯学部離れは一気に進んだと言えよう。
 「コンビニエンスストアより歯科医院の数の方が多い」という言葉に象徴されるように、歯科医の過剰感は社会全体に浸透している。確かに1955年に33.0人だった人口10万人当りの歯科医師数が現在では74.0人にまで増えている。このことを受験生が敏感に感じとっての歯学部離れであろう。しかし、仮に現状がそうであったとしても受験生が歯学部での6年を終え1年の研修を終える7年後、更に歯科医師として腕を磨いた今から10年~15年後の歯科医師を取り巻く状況が、現在と同じまたは現在より悪いということはないことは歯科医師の年齢別構成を見れば分かる。歯学部志願者は入試ということを考えれば恵まれた年代とも言えよう。勇気と自信を持って良き歯科医を目指してもらいたい。
 さて、09年度私立歯学部入試の結果を細かく見ていくと推薦入試・AO入試の志願者も前年から272人,16%の減少であった。それ以上に大きな衝撃であったのは本番とも言える一般入試であった。一般入試では前年から2,834人,36%の減少で、4年前の05年度入試の志願者数に比べ5,290人の減少となり、半数を超える52%の減少であった。一般入試は4年で志願者が半分以下になる想像を超える落ち込みとなっている。
 大学別に見てみると、一般入試の志願者が増えた大学は東京歯科大学,松本歯科大学,大阪歯科大学の3校あった。しかし、詳細を見ていくと東京歯科大学はセンター試験利用入試の新たな導入,松本歯科大学はセンター試験利用入試で新たにⅡ期入試の設定,大阪歯科大学は後期試験を新規に実施と、いずれの大学も新たに設定した入試が志願者増の要因で、3大学ともにこれまでの入試方式だけでは志願者は減少している。つまり、実質的には私立歯学部17大学全てで一般入試の志願者が減少していると言える。
 一般入試で志願者が前年の7割減となった大学や半減した大学もある中、東京歯科大学、昭和大学、日本大学(歯)の3校がⅠ期試験で(日大はⅡ期は実施せず)300人以上の志願者を集めた。このうち東京歯科大学は、志願者の減少幅も最も小さかった。他に志願者の減少が比較的少なかった大学は日本大学(歯)、昭和大学、日本歯科大学、愛知学院大学、大阪歯科大学で、人気校と言われる大学は底固かった。志願者減と言っても大学により減少幅は違い、以前から歯学部志望者の人気を集めていた大学は減少幅が小さく、今後これまで以上に大学間の難易度の差が広がる可能性もあるだろう。
 前期・後期(Ⅰ期・Ⅱ期)の日程別に見てみるとほとんどの大学で前期(Ⅰ期)より後期(Ⅱ期)の方が減少幅は大きい。歯学部志願者総数が減少した結果、前期(Ⅰ期)で合格できなかった歯学部志望者が例年に比べかなり少なかったと考えられる。逆に言えば、前期で第一志望校に合格していなければ、後期で再度チャレンジすることもありだと言うことだ。


■私立歯学部志願者数推移                 (人)
2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度
11,458 11,063 10,468 8,710 5,620

■後期・二期試験推移                     (人)
  2008年度 2009年度 2010年度
実施校数 13 14 15
受験者数(a) 1,599 1,015 494
総合格者数(b) 289 283 243
不合格者数(a-b) 1,310 732 251

【10年度入試のポイント】
 09年度入試では予想をはるかに超える志願者減となった私立歯学部だが、2010年度入試に向けて各大学は志願者をより多く集めるための入試の見直しを行ってきた。2010年度入試では各大学、様々な入試変更点があるので十分注意したい。
まず、推薦入試・AO入試の定員変更が目立つ。神奈川歯科大学が公募推薦入試で定員を15名増やすなど推薦入試の定員を増やす大学がある一方で、推薦入試の定員を減らす大学もある。推薦入試で減った定員はAO入試に回っている。明海大学がAO入試の定員を一気に50名増やすなど、AO入試での定員増が目立つ。AO入試は受験生にとって馴染みのない試験であるかもしれないが、一度は検討してみるといいだろう。
 一般入試も定員変更が目立つので十分注意してもらいたいが、特に注意してもらいたいのはセンター試験利用入試だ。日本大学(歯)が定員8名、鶴見大学が1期7名、2期3名で新たに導入することになった。日大の試験は数学ではなく現代国語が課せられる試験であるので注目したい。また、昭和大学、日本歯科大学(東京)(新潟)、朝日大学はセンター試験で新たにⅡ期試験が導入される。10年度入試ではその他にも様々な変更があるので、慎重に受験校を考えてもらいたい。







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