入試動向【歯学部】

2016年度 入試動向【歯学部】

【7年振りに志願者8千人】

 2006年度入試から坂道を転げ落ちるように4年間に渡り志願者の急減が続いた私立歯学部入試も、2010年度入試から志願者数の回復を見せてきた。特に前年(2014年度)入試では一般入試の志願者は1,460人増(26.2%増)となり、本格的な志願者数の回復が見られた。そして、今春の2015年度の一般入試では前年に比べ志願者は更に1,513人増(21.5%増)と2年続けて志願者の大きな伸びを見せた。この結果、7年振りに志願者数は8千人を超え一般入試の志願者は8,539人となった。とは言え、10年前の2005年度の私立大学歯学部一般入試の志願者数は1万人を上回っていた。2005年度入試と比べればまだ完全回復とまでは言えない。私立大学歯学部一般入試の志願者数は着実な回復基調にあることは間違いないが、どこまで志願者数を伸ばして行くのか、今後の動向には注目して行きたい。

■国公立歯学部志願者数 (人)
  2013年度 2014年度 2015年度
前期 2,047
2,005
2,022
後期 1,356
1,439
1,314
合計 3,403
3,444
3,336

【2年連続で昭和大学がトップ】

 私立歯学部では、長く東京歯科大学が一般入試で最も多くの志願者を集めてきたが、前年(2014年度)の一般入試では昭和大学歯学部がⅠ期(前期)もⅡ期(後期)も東京歯科大学を上回る志願者を集めた。2015年度入試では、東京歯科大学が巻き返すのか、昭和大学歯学部が昨年に続き志願者数1位の座をキープするのか注目された。さて結果だが、Ⅰ期もⅡ期も前年の志願者数を更に伸ばした昭和大学歯学部が2年連続でⅠ期(前期)もⅡ期(後期)も志願者数トップとなった。昭和大学は大学全体として受験生に対する広報活動に力を入れており、入試日程もよく考えられている。同時に「医療系総合大学」という大学の特徴を活かし2年進級時に歯学部から医学部への転部制度も持っており、医学部志願者の受け皿としても昭和大学歯学部が選ばれるケースが多い。東京歯科大学も圧倒的な歯科医師国家試験合格率を背景に医学部志願者の併願先となっていたが、最近では歯学部から医学部への転部制度に医学部志望者は魅力を感じているようだ。

 その他の大学の入試結果も見ておこう。まず、一般入試で数学必須から数学と国語のどちらかを選択して受験することになった日本歯科大学であるが、生命歯学部(東京)、新潟生命歯学部の両学部とも前期、後期のいずれも志願者数を伸ばした。数学に苦手意識を持つ受験生にとって、数学を避けて受験できることは大きく、その結果として志願者が増加した。日本大学歯学部と松戸歯学部では前年から日本大学全学部統一入試(N方式)を導入したが、実施2年目の2015年度入試では両学部ともN方式の志願者は減少した。大阪歯科大学は成績上位30名の初年度授業料(515万円)を全額免除する特待制度の導入に加え、一般入試前期で東京会場も新設した。この効果で志願者は前年を30%上回った。6年間の学費を250万円下げた愛知学院大学でも前期の志願者を30%増とした。学費の変更には、受験生は敏感に反応することを覚えておいて欲しい。

■私立歯学部一般入試志願者数推移 (人)
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
4,256
4,740
5,566
7,026
8,539

【2016年度入試のポイント】

 先述のように私立大学歯学部の志願者は過去2年、はっきりとした伸びを見せている。

 一時期は定員確保に苦しむ歯学部も少なくなかったが、私立大学歯学部の入試を取り巻く状況も変わってきている。志願者が増えれば倍率も上がり、その結果として入試の難易度も上がる。全ての私立大学歯学部の入試難易度が上昇しているというわけではないが、入試難易度が上昇している大学もある。各歯学部の最新の入試難易度は、しっかりと把握して欲しい。

 また、例えば昭和大学歯学部の推薦入試・編入学試験では理科2科目が課せられるようになったり、奥羽大学歯学部で一般三期を実施、日本大学歯学部一般A方式の募集定員が18人減と大きく減るなど、2016年度入試ではほとんどの歯学部で入試に変更がある。正確な入試情報に基づいて受験準備を進めて欲しい。


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