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総論

入試動向 <総論>

文部科学省の学校基本調査速報、私学事業団の入試動向調査と独立行政法人大学入試センター発表の2006年度大学入試センター試験の試験結果データを基にメルリックス学院が各大学から独自に調査入手した多くのデータを加え、それらを詳細に分析し2006年度入試を総括し、2007年度入試の動向を探っていこう。

【大学全入時代の到来】
18才人口が確実に減少を続け、2006年3月卒業の高校生は前年比で3万1千人減少した。現役生の志願率は上昇したものの、現役生の志願者数は1千人減少した。既卒生(浪人生)の1万8千人の大幅な減少とあわせ、全体としては1万9千人の減少となった。一方、薬学部などの学部を新増設する大学もあり、大学の入学定員は増加した。この傾向は2007年度入試も続く見込みであり、これまで言われ続けてきた大学全入時代が2007年度入試ではいよいよ到来する見通しである。
とは言え、人気が集中する大学あるいは学部の厳しさが緩和される訳ではない。易化する大学や学部もあるが、自分の志望する大学、学部はどうなのかしっかり見極める必要がある。

(万人)
入試年度 2005年度 2006年度 2007年度
高校卒業者数 120.3 117.2 115.0
現役大学・短大志願率 55.9 57.3 58.0
現役志願者数 67.3 67.2 66.7
浪人志願者数 12.5 10.7 9.2
大学・短大志願者数 79.8 77.9 75.9
(大学志願者数) (69.9) (69.0) (68.0)
現役志願者数比率(%) 84.3 86.3 87.9
大学・短大入学者数 70.3 69.4 68.4
入学率(%) 88.1 89.1 90.1
※2007年度はメルリックス予想

【センター試験、3年連続志願者減】
3年前の2003年度入試では60万人を超える過去最高の志願者数となった大学入試センター試験(以下センター試験)だが、2006年度は前年に引き続き志願者を減らすこととなった。センター試験は毎年参加する私立大学が増え、更に短大の新規参加も続いているが少子化という大きな波の前では志願者の減少は止められなかった。

■センター試験、志願者数・受験者数の推移(万人)
入試年度 2004年度 2005年度 2006年度
志願者数 58.7 57.0 55.1
現役志願者数 42.7 42.2 42.6
既卒志願者数 15.4 14.2 11.9
男子志願者数 35.0 33.8 32.4
女子志願者数 23.7 23.2 22.8
受験者数 54.0 52.5 50.6
受験率 92.0% 92.0% 91.9%

■主な科目の平均点(点)
入試年度 2005年度 2006年度 増減
国語(ⅠⅡ) 119.54 125.52 5.98
英語 116.18 127.52 11.34
数学ⅠA 69.43 62.36 -70.7
数学ⅡB 52.47 57.66 5.19
物理Ⅰ(B) 59.97 73.42 13.45
生物Ⅰ(B) 51.58 69.60 18.02
化学Ⅰ(B) 66.06 64.13 -1.93
世界史B 63.16 66.25 3.09
日本史B 59.27 54.66 -4.61
地理B 70.22 65.13 -5.09
現代社会 70.22 57.91 -12.31
倫理 67.03 68.74 1.71
政治経済 64.55 61.05 -3.50

【国公立大学志願者も大幅減】
国公立大学全体の志願者数は505,370人と前年に比べ2,608人、0.5%とわずかではあるが3年連続の減少となった。ただし、大学志願者数の減少(2.9%減)を考えると国公立大学への人気は堅調と言えよう。また、センター試験の平均点の高かったことも国公立大学への出願を下支えした面もあるだろう。
さて、国公立大学の医学部医学科だが、前年は前後期ともに志願者を減らしたが、2006年度入試では前期902名(5.1%増)、後期868名増(6.4%増)と前後期いずれも志願者が増加した。ここでもセンター試験の結果からの強気の出願がうかがえる。
注目された理科3科目必須となった6大学では北海道大が前後期合わせて231名、京都府立医科大と大阪市大がそれぞれ65名、113名と大幅に志願者を減らした。

■国公立医学部志願者数(人)
2004年度 2005年度 2006年度
前期 18,280 17,429 18,331
後期 14,639 13,632 14,500
合計 32,919 31,061 32,831

歯学部であるが、医学部とは異なり2年連続の減少となった。前後期合計で406名(9.3%減)と大幅な減少となり、志願者数は4,000人を割り込むことになった。
特に、九州歯科大学が前期で183名、後期で129名、合わせて312名の減少、また広島大学でも前後期合計で256名の減少と複数の歯学部を抱える地域での減少が目立った。

■国公立歯学部志願者数(人)
2004年度 2005年度 2006年度
前期 2,634 2,513 2,344
後期 1,915 1,832 1,595
合計 4,549 4,345 3,939

【私立大は二極化が顕著に】
さて私立大学であるが、志願者数の減少傾向に歯止めがかからない状況が続いている。センターの高い平均点を反映し、センター利用入試では志願者を増やすものの一般入試での志願者減をカバーできるほどではなく、総志願者数は昨年に引き続き減少となった。
地域別に見ると有名大学が集まる東京・近畿圏では堅調だった一方、他地域では志願者が減少した。早慶をはじめとする難関大学では志願者を増やしているが、その他の大学では志願者が集まらないという二極化が顕著に現れてきた。
また目立ったところでは、2006年度から薬剤師養成課程が6年制となった薬学部が大幅に志願者を減らしている(30.9%減)。


【2007年度入試展望】
92年をピークに18歳人口は年々減少を続けている。しかし近年、薬学部をはじめとして大学や学部が次々と新設され、大学の入学定員数は増加している。こういった状況から入学定員数が志願者数を上回る大学全入時代が理論的には2007年度に到来する。とはいえ、難関校や人気校の志願者数が急速に減るはずもなく、いわゆるボーダー校や地方の大学にそのしわ寄せが押し寄せると考えられている。
 国公立大学では2007年度入試においての最大の変更点は、京都大・東北大・名古屋大といった旧帝大の複数の学部で後期日程が廃止されることであろう。敗者復活の側面も持ち合わせていた後期日程の廃止で、前期日程への出願状況は併願先だった大学も含め、出願状況に大きな変化が出ることが予想される。その他の国公立大学でも前期日程への一本化の動きが見られる。国公立大学では前期一本勝負の色合いが強まっていくのではないだろうか。国公立大学といえども地方の大学や人気のない学部では「入りやすさ」が実感できる年になるかもしれない。
 また、国立医学部では推薦入試による地元優先枠が急速に拡大しており、注意が必要である。2006年度入試においても弘前大や宮崎大などで実施されたが、2007年度にも富山大や山口大で新たに導入が予定されている。
 私立大学では国公立大学とは対照的に入試の多様化が一段と進んでいる。2007年度入試においても新たにセンター利用試験を導入する大学やAO入試を実施する大学もあるので受験生としては情報をしっかりとキャッチしていくことも重要になってくるだろう。
 また医療系の大学の新設や薬学部・看護学部の増設、さらには早稲田大学でも文学部・理工学部で大幅な改組が予定されている。
 2007年度入試は例年以上に変動の大きい入試になりそうである。情報を集めることも大切であるが、これだけ変更が多いと情報に振り回される可能性も否定できない。受験生としては自分がどのような道に進みたいのか、明確な意思を持って受験に臨むことが問われる一年になるだろう。







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