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総論

入試動向 <総論>

公式に発表されたデータとして文部科学省の学校基本調査速報と独立行政法人大学入試センター発表の2004年度大学入試センター試験の試験結果データと2005年度の実施情報をベースとし、併せて各大学から入手した2004年度入試に関するデータとメルリックス学院が全国をまわり独自に調査収集した多くのデータを詳細に分析し2004年度入試を総括し、2005年度入試の展望を見てみよう。

【高校卒業者数、大幅減】
18才人口の本格的な減少期に入り2004年3月の高校卒業者数は前年に比べ一気に4万7千人も減少した。進学率が55%台で推移し予想に反し上がらず、この状況は今後も続くだろう。18才人口の減少が止まらず、今後も続いていくなかでは当然大学や短大の志願者数も大きく減っていく。「大学全員入学」時代がいよいよ近づいてきた。

(万人)
入試年度 2003年度 2004年度 2005年度
高校卒業者数 128.2 123.5 120.0
現役大学・短大志願率 55.7 55.6 55.6
現役志願者数 72.4 68.7 66.7
浪人志願者数 14.1 14.0 13.0
大学・短大志願者数 85.4 82.7 79.7
(大学志願者数) (74.3) (72.2) (69.5)
現役志願者数比率(%) 83.6 83.1 83.7
大学・短大入学者数 71.8 70.5 68.9
入学率(%) 84.1 85.2 86.4
※2005年度はメルリックス予想
 
【センター試験も志願者減】
過去4年連続で志願者を伸ばし、過去最高の志願者数を更新し続けてきた大学入試センター試験も2004年度入試では一転して前年から、15,537人、2.6%の志願者減となった。 私立大学のセンター試験利用入試の導入はこれまで同様続き、更に短大でのセンター試験導入も始まったにもかかわらず、センター試験志願者数は前年割となってしまった。大学あるいは短大志願者数そのものの落ち込みが大きかったと言わざるを得ない。2005年度もこの傾向は続くと見ていいだろう。

■志願者数・受験者数の推移(万人)
入試年度 2002年度 2003年度 2004年度
志願者数 60.2 60.3 58.7
現役志願者数 44.6 43.8 42.7
既卒志願者数 14.9 15.8 15.4
男子志願者数 36.1 36.1 35.0
女子志願者数 24.1 24.2 23.7
受験者数 55.3 55.6 54.0
受験率 91.9% 92.2% 92.0%

さて、試験結果だが、平均点を前年と比較すると国語ⅠⅡが+13.1点、数学ⅠAが+9.0点、英語が+3.3点と主要科目で平均点がアップした。数学ⅡBは平均点が4.2点下がったが成績上位者は、むしろ前年より点が取れており主要科目全体で前年を上回ったと言える。生物ⅠBや化学ⅠBなど平均点が若干下がった科目もあるが、5教科全体の総合点では前年を20点程度上回ったとみられる。5教科全体の平均点がかなり上がったことにより 国公立大学の出願は全体に強気の出願が目立った。
尚、2005年度入試では新課程への移行を控え現在の課程での最後のセンター試験となる。現行課程履習者がどう動くのか、各科目の平均点の動きなど注意深く見ていく必要がある。

■主な科目の平均点(点)
入試年度 2003年度 2004年度 増減
国語ⅠⅡ 101.08 114.14 13.06
英語 126.82 130.10 3.28
数学ⅠA 61.17 70.17 9.00
数学ⅡB 49.84 45.65 ‐4.17
物理ⅠB 61.60 62.92 1.32
生物ⅠB 66.98 62.67 ‐4.31
化学ⅠB 61.81 54.30 ‐7.51
世界史B 56.53 61.47 4.94
日本史B 63.93 56.52 ‐7.41
地理B 54.99 62.11 7.12
現代社会 59.53 57.27 ‐2.26
倫理 60.66 69.87 9.21
政治経済 62.95 61.49 ‐1.46

【国公立大学志願者は大幅減】
ここ数年、根強い国公立大学人気に支えられ堅調に推移してきた国公立大学の志願者数だが、2004年度入試では32,000人も志願者を減らした。(前年比94.3%)これは、18才人口の減少に加え、国立大学のセンター試験7科目化による受験生の負担増の影響による。
さて、国公立大学の医学部医学科だが、国公立大学全体では志願者を大きく減らしたにもかかわらず32,919人の志願者を集め前年の4.7%アップとなった。これは潜在的な医学部人気プラス、センター試験の平均点が高かったことによる。うまくいけば医学部を狙ってみたいと考えていた受験者がセンター試験の高得点により医学部にチャレンジしたと考えられる。各大学別の志願者数を見ても、難関と言われる大学では東京大学を除いては志願者を目立って伸ばした大学はないが和歌山県立医科大学、福島県立医科大学、山口大学、大分大学など医学部のなかでは比較的取り組み易いと考えられる大学での志願者増が目立った。

■国公立医学部志願者数(人)
国立
前期
国立
後期
公立
前期
公立
後期
合計
2004年度 15,116 12,828 3,164 1,811 32,919
2003年度 15,597 12,203 2,845 1,872 32,517
前年増減 △ 481 625 319 △ 61 402

歯学部であるが、こちらも他学部に反し志願者を3.1%アップさせた。各大学別に見てみると、旧帝大などの難関と言われる大学はむしろ志願者を減少させている。医学部同様、「センター試験がうまくいけば」と考えていた受験者がセンター試験の高得点により歯学部にチャレンジしたと考えていいだろう。

■国公立歯学部志願者数(人)
国立
前期
国立
後期
公立
前期
公立
後期
合計
2004年度 2,096 1,446 538 469 4,549
2003年度 2,042 1,434 572 366 4,414
前年増減 54 12 △ 34 103 135

【私立大学も4年振りに志願者減】
2001年度入試から3年連続で志願者を伸ばしてきた私立大学も2004年度入試では志願者を減少させた。センター試験利用方式を除く一般入試での減少が大きかった。やはり、18才人口の減少は大きいと言わざるを得ない。又、同時にいわゆる浪人生の減少も無視できない。浪人生は現役生に比べ併願校が多く浪人生の減少は影響が大きい。

■入試種別志願者数(万人)
2002年度 2003年度 2004年度
推薦 24.6 25.3 25.2
センター 54.1 62.2 64.1
一般 211.8 211.0 194.9
合計 290.5 298.5 284.1
(合格者) 79.7 78.6 78.9

【2005年度入試展望】
高校卒業者の減少は続き、2005年3月の高校卒業者は120万人の見込みで2004年3月卒業生より3万5千人減少しそうだ。一方、浪人生や再受験生などは前年並みと考えていいだろう。これらを合わせ考えると2005年度の大学入試では志願者が3万人程度の大幅減少となりそうだ。先にも少し触れたが、大学・短大の入学者と志願者の数が一致するいわゆる「大学全員入学」時代がいよいよ現実のものとなってきた。
1997年に当時の文部省が大学・短大の志願者と入学者についての試算を行いその結果、2009年度に志願者と入学者が同数になるとされた。しかし、今回再試算した結果、当初考えられていたより2年早まり、2007年度には志願者と入学者が一致し、学校を選ばなければ志願者全員が入学できるという見通しが発表された。もちろん「学校を選ばなければ」という条件のもとでの話であるのでただちに全ての大学に希望者全員が入れる訳ではないが入りやすくなるというイメージは広がるだろう。現実に全員入学の学校も増えていくであろう。しかし、変らず難関振りを発揮する大学もある。あやふやなイメージやうわさに振り回されず、自分が志望する学部、大学がどう変化していくのかを注意深く見ていく必要がある。そのためには、やはり情報に敏感になり、正確な情報を早くつかむことが大切だ。
又、2005年度入試は現行課程入試の最終年度になる。1年先の2006年度入試からは新課程入試への移行期間となりセンター試験では英語でリスニングが実施されるなど様々な変化が予想される。新課程入試への移行を控え、多少志望ランクを落としてでも決めてしまった方がいいのか、そこまで考えなくてもいいのか等を考える際にも正確な情報があってこその話である。受験勉強と情報収集のバランスをうまく保ってほしい。





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