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歯学部の入試動向
【大幅な志願者の減少】
2008年度入試の私立歯学部志願者総数は、7,774名と2007年度入試に比べて、1,481名の減少となった。これで私立歯学部の志願者総数は、2006年度入試より3年連続の減少となったわけだが、2008年度入試は前年比16.0%もの大幅な減少となった。少子化のなかでも志願者数を維持してきた歯学部であるが、厳しい局面を迎えつつあるといえそうだ。また、歯科医師の過剰問題など新聞等で目に付くことも多く、受験生の意識の中では歯学部への人気は確実に低下している。医学部と同様に新設歯大卒の歯科医師の子弟が受験期を迎えているが、医大の人気とは相反した状況となっており、歯科医師の現状を物語っているようにも見える。
ほとんどの大学で志願者数は減少しているが、朝日大学(前年比147.3%)、神奈川歯科大学(前年比146.5%)、鶴見大学(前年比111.3%)、東京歯科大学(前年比105.7%)など志願者数を伸ばしている大学もある。しかし、上記4校は、2007年度入試まで2月1日に試験日が集中していた大学であり、試験日が分散した恩恵を受けたに過ぎない。受験機会の増加により、受験生の受験校数が増加していることを考えると実質的にはマイナスと考えていいだろう。同じく試験日の分散の恩恵を受けている日本歯科大学生命歯学部や福岡歯科大学は前年の志願者数をキープできずに減少となっている。特に福岡歯科大学は国公立歯学部の多い九州という地域性も影響しているようだ。今後も厳しい状況が予想される。
また、近年増加傾向にあり、2008年度入試では17大学中14大学で実施されていた後期・二期試験であるが、前年比で542名志願者を減らし、30.5%の減少となった。以前は医学部志望者の受験も多く、前期・一期試験と比べると、後期・二期試験のほうがレベルが高かったが、2007年度入試あたりからは、医学部がだめなら歯学部に行くというタイプの受験生はあらかじめ前期・一期試験をきっちりと受けてきており、後期・二期試験は前期・一期試験の不合格者がもう一度受験するという状況になってきている。このため、以前とは逆の展開になっており、同じ大学を受験していても前期・一期試験では不合格だったが、後期・二期試験では合格したというようなケースも出てきている。特に2008年度入試では実質倍率(受験者数÷総合格者数)が3倍以下の大学が7校と急増した。2007年度入試では松本歯科大学のみだったので、いかに急激に志願者が減少したか実感できるのではないだろうか。結果的に後期・二期試験の不合格者数(受験者数-合格者数)は2007年度入試では1,310名であったが、2008年度入試では732名とほぼ半減してしまっている。
さらに、公募推薦入試でも志願者の減少が顕著だ。2007年度入試では実質倍率2倍以下の大学は8校であったが、2008年度入試では11校へと増加した。このうち10校は1.5倍以下にまで実質倍率が低下している。
私立歯学部の受験生の減少は今後も続くと考えられる。特に2009年度も受験するであろう後期・二期試験の不合格者数が大幅に減少しているのは気なる点だ。各大学も入試日程の変更やセンター利用試験の導入など改革に取り組んでいるが、より抜本的な改革が求められているのかもしれない。
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| 2004年度 |
2005年度 |
2006年度 |
2007年度 |
2008年度 |
| 10,222 |
10,230 |
9,809 |
9,255 |
7,774 |
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2006年度 |
2007年度 |
2008年度 |
| 実施校数 |
11 |
13 |
14 |
| 受験者数(a) |
1,615 |
1,599 |
1,015 |
| 総合格者数(b) |
229 |
289 |
283 |
| 不合格者数(a-b) |
1,386 |
1,310 |
732 |
【2009年度入試のポイント】
2008年度入試で試験日程の分散が見られたが、2009年度入試でも2月2日に試験を実施していた神奈川歯科大学・松本歯科大学がそれぞれ1月27日、1月30日に試験日を移動する。この結果、2月2日に試験を実施する大学は東京歯科大学一校のみとなった。また、大阪歯科大学が2009年度入試より後期試験を導入する。これで17大学中15大学で後期・二期試験を実施することになった。前述したとおり、後期・二期試験は最も志願者の減少が激しい。2009年度入試でも傾向としては変わらないだろう。後期・二期試験もチャンスは充分にある。私立歯学部の志望者は最後まで諦めずに勉強してほしい。また、大阪歯科大学は6年間の学費を3950万円から3150万円と大幅に減額している。この影響がどう出るかも注目だ。
日程の変更や試験種類の増加などにより志願者数を増やす大学もあるだろう。しかし前述したとおり、実質的な私立歯学部の志願者は減少傾向にある。志願者数の増減に関わらず実質倍率は2009年度入試でも低下するだろう。歯学部合格のハードルが一段と下がるのは間違いないだろう。しかし、歯学部に入学しても国家試験に合格しなければ歯科医師にはなれないのである。歯学部志望者はしっかりとした土台を築いてから入学しても遅くはないだろう。
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